旅するナマケモノ

旅マニアな中年カップルの情報ブログ

リシケシでヨガを習った時の話

 

ヨガ」は、みなさん一度はやってみたことがあるのではないかというくらい、日本でもポピュラーになっていますがヨガは好きですか?

 

私はヨガが好きです。

毎日の体のメンテナンスとして生活の一部になってきている私ですが、最初は何もわかっちゃいませんでした。

 

今回は私がヨガを始めたきっかけとなった町リシケシでのお話をしようと思います。

「ヨガをこれから始めたい」「リシケシでヨガを習ってみたい」といった人々の参考になったら嬉しいです。

 

少しだけヨガの歴史について触れてみたいと思います。

ヨガは今から4500年前のモヘンジョダロ遺跡から坐法や瞑想をする出土品が出たことからその頃を起源とするようですが、その頃はアーサナはなく瞑想を主とするものでした。

 

4世紀ごろに最古のヨガの経典と言われる「ヨガスートラ」をパタンジャリが書いていています。パタンジャリは、「ヨガとは心の動きを抑制すること」と定義しています。

 

12世紀ごろに現在のアーサナの原型となる動的なハタヨーガが出現したと言われています。

ただ一旦このヨーガの流れが途絶え、19世紀後半にイギリスの植民地支配から抜け出そうと、インドにも誇れる文化があると示そうと「ヨガスートラ」はインドの文化的ナショナリズムと関わる形で復権されるようになったそうです。

 

 

初めてインドを訪れた2006年、音楽をテーマに旅行していた私はリシケシで楽器を作るワークショップに参加し1ヶ月位滞在していました。オーストラリアのアボリジニーの楽器ディジュリドゥをインドで作っていました。これはこれで面白かったです。世界中の民族音楽好きバックパッカーがムケシュというインド人の家に集まってくるのですから、面白くないはずがないです。

 

その時は、リシケシにいるのだからと何回かヨガのクラスに参加した程度でリシケシを後にして、ヨガをすると体が伸ばされて気持ちがいいなくらいの感覚でその後もたまに自分でやっていた程度でした。

 

 

 

ラダックに行くためにインドを再び訪れた時、山の道が開通するまでリシケシに滞在することになり、せっかくだから本格的にヨガを習ってみようと思ったのが始まりでした。

 

ヨガというといろんな流派があって、どの流派が自分に合っているのかすらもわからなかったのですが、たまたまヨガを何年もやっているという旅人に出会い、ヨガを始めるならアイアンガーヨガから始めるのがいいじゃないという助言をくれたので、アイアンガーヨガを始めることにしたのです。

 

ロンリープラネットを開くと気になるヨガクラスが二つありました。

YOGA Study Center と Omkarananda Ashramのアイアンガーヨガクラスです。

その時はよく知らずに通っていたのですが、この二人の先生はなんともすごいお方でしたのでご紹介したいと思います。

 

現代ヨガの父と言われているティルマライ・クリシュナマチャーラヤ師の生徒であった、BKSアイアンガー師、その生徒であるRudra Dev師とUsha Devi師

 

まずはYOGA Study CenterRudra Dev師のもとへ行きました。

リシュケシュから、観光地であるラクシュマンジューラとは反対方向に乗合のオートリクシャーに乗って、普通の住宅街で降りて、ガンガー方面に歩いて行きます。

 

 

住所:37WQ+P7V, Ganga Vihar Colony, Kolghatti, Rishikesh, Uttarakhand 249201 インド

 

 

 

毎日、朝のクラスは行われていますが別の先生が教えておられます。

ルドラー師はリシケシでヨガを30年は教えておられるベテランの先生です。

普段は南インドに住んでいるルドラー師がリシケシにくるのは年に何回かで、たまたま時期があったため前日にルドラー師との面接を受け2週間のコースに参加することができました。これも年によって期間が違ってくるようなので確認が必要です。

 

20人くらいの生徒がいたでしょうか、私以外は皆ヨガを何年もやっていますといった雰囲気でなんとも気後れしたのを覚えています。さらに南インド訛りがすごく強い英語で何をいっているのか最初はさっぱりわからず不安な幕開けでした。

 

ただレッスンを受けルドラー師の英語に慣れてくると、ルドラー師がヨガを愛していること、たくさんの知識を持っていること、厳しいようだけど少し照れ屋でチャーミングな人であることなどがわかり私にとってはチャレンジングなアーサナにも頑張って取り組めるようになりました。

 

ルドラー師はアーサナの練習よりも、その説明の方が長いくらいポーズやヨガについてのお話をたくさんしてくださいます。ここに好みは分かれるかと思います。

 

朝のクラスは3〜4時間、夕方のクラスは2時間程度だったと思います。ヨガ漬けの毎日を送りたい方にはもってこいのコースだと思います。

 

ルドラー師のコースはインド式ヨガ道場とでもいうのが一番わかりやすいかと思います。スパルタな面もありますが得るものは多い経験だったと思います。

料金体系もいまだに寄付という形をとっており、お金にあまり執着のないルドラー師の姿勢も尊敬しています。

 

その時はわからなかったことが後々わかってくるなんてことも多く、またルドラー師のコースを久しぶりに受けたいなとこれを書きながら思っています。

 

 

 

次にOmkarananda AshramUsha師

 

 

彼女はスイス人で、1985年からインドに住んでいます。確か旦那さんがインド人だったかと思います。

1993年からBKS Iyengarの元でヨガを始め、1998年に交通事故に遭い手術を経てなんとか体が動くようになってから、ヨガの練習を再開します。しかし5年後また交通事故に遭い大腿骨を骨折してしまいます。この事故も手術を経て、ヨガの練習により回復され、足を多少引きずりながらもパワフルに指導されるUsha師は本当に多くの知識を持っていると感じました。

 

 

インテンシブヨガクラスと、ジェネラルヨガクラスがあり最初はジェネラルヨガクラスを受けました。

スタジオ内にはびっしりと生徒がいて、足を伸ばすと横の人にあたってしまいそうなくらいです。Usha師の指導はやや辛口でもありますので合う合わないはあるかと思います。

 

アイアンガーのスタイルでもある、アーサナを正確にとらえるためポーズごとに見本の人を立てて説明をしてくれます。時には悪い見本の人も前に出されることがあります。

「膝を引き上げて」とか、「ここの筋肉を内側に向かうようにして」などとまだわからない部分もありましたが、目指す方向がわかるので自分で練習する時にもとっても役に立っています。

 

ジェネラルクラスの料金は、1日だと900ルピー(1500円位)ですが、6日だと1900ルピー(3300円位)なので6日いった方が随分とお得になっています。それでも10年前の私がいっていた頃の倍くらいにはなっていますが、まだまだ日本で習うよりも安いです。

2週間位のインテンシブコースも受けましたが、私にはインテンシブコースの良さはあまりわかりませんでしたので、ジェネラルコースで充分だと感じました。

www.iyengaryoga.in

 

夏の暑い時期は、ヨーロッパに帰っているので冬のみリシケシで教えておられたと思うので行かれる方は事前に確認された方が良いと思います。

 

 

 

最後に、尊敬するBKS Iyengar 師についても少し説明させてください。

生まれた時から体の弱い少年だったアイアンガー師は、15歳でクリシュナマチャーリヤ師の元でヨガを始めます。ヨガによってアイアンガー師の健康状態は回復し、病気が治ってしまったと言います。(中村天風さんもヨガで健康を回復していますよね。)

 

若い頃は一日10時間ものヨガの練習をしていたそうですが、それは若い健康な人にのみ可能であることに気づき、アーサナのあらゆる側面を探求するために練習を変えていったそうです。

指導していく中で一部の人が古典的なアーサナをとることができないことに気づき、イスやロープ、ブロックを使用して助けたのが現在のアイアンガーヨガにつながっています。アイアンガー師は、95歳の生涯最後の時まで、「私はヨガの学生です」と言われており、先生を引退されてからもプーネのラママニ・アイアンガー・メモリアル・ヨガ・インスティチュート(Ramamani Iyengar Memorial Yoga Institute: RIMYI)でヨガの練習をされていたと話に聞いたことがあります。アイアンガー師の深い探究心には、頭が下がります。

 

アイアンガーヨガをやっていると、正確なアーサナにフォーカスして練習していけるので最初に習うのには本当に最適だったなと思っています。

ロープやブロックなどを使うことによって、無理せず正しい位置を体に教えてくれるのです。正しい形のアーサナをしてると骨が伸びていく感じがして気持ちがいいです。

 

ヨガを始めた当初は、運動して疲れた、面倒だななんてナマケモノは思ってましたが、ヨガを続けているうちにマッサージをした後の疲れ方のような気持ちいい脱力感に変わり、朝こわばった身体をほぐすと動きやすくなっているのを体感します。

私の場合痩せはしませんが、生理痛が改善したりだるくなった足が軽くなったりと健康維持には貢献してくれていると感じています。

 

まだまだ煩悩たっぷりで、心の動きを抑制できる境地にはいけませんがヨガは続けていきたい趣味の一つです。

 

こんな情報が誰かの役に立ってくれたら幸いです。