旅するナマケモノ

旅マニアな中年カップルの情報ブログ

エンフィールドでラダックを走った時の話

思い出話。

2010年のこと。

 

インド製のロイヤルエンフィールドというバイクでインドの北部ラダック地方を旅しました。この地方はヒマラヤ山脈に位置しほとんどが標高3000m以上で、かつてラダック 王国という仏教国であり現在でも多くのチベット人が住んでいる。

 

 

 

チベットの風景やチベット人が好きで常々行きたいと思っており、

軽い気持ちで「バイクでラダックに行こう」と決めた。

 

ラダック地方は9月から6月までは雪のため道路が閉鎖されている。道が開く6月に合わせて、何の準備もせずにマナリという村まで行ったのです。

 

ある日ブラブラとマナリの道を歩いていると、BIKE FOR SALE と手書きの紙を貼ったバイクが止まっていたのが眼に入った。

これがロイヤルエンフィールド、サンダーバードとの運命的な出会いだった。

   

 

売主は、3日後に国に戻るというノルウェーの若者。交渉をして300$という破格でバイクを手に入れたナマケモノ

日本の綺麗な道でしかバイクを運転したことのないナマ子。バイクのことなんて何にも知りませんでした。

 

ナマ子は日本でホンダのXLRに乗っていたので、私が運転するとナマ介と、2人分の荷物を後ろに乗せて走り出したのです。

 

最初こそ順調に走り出したのですがロータンパスという最初の峠を越したあたりから雪解け水でグチャグチャになったヌルヌルした泥の道。

生まれて初めての悪路に恐怖心と重いバイクでの運転でヘトヘトになり、1泊目にしてもう引き返した方が良いかもしれないと思い始めました。

 

そんな泣き言を言うとナマ介は「じゃあ俺が運転する」と今まで原付程度しか乗ったことのないナマ介がバイクの運転を覚えてくれ、何とか先に進むことができました。

 

(現在ロータンパスにはアタルトンネルが開通し6時間くらいかかっていた所を30分で行けるようになっているようです。)

Tanglangla 近くの山

 

こんなこともありました。日が暮れてきたしダバ(テント宿)もあるしここで泊まろうと決め眠りにつくと、頭が割れるように痛い。高山病だろうなと思いながらも今までなかったのに何でだろうと考えながらふと地図を見ると、標高約5000mのところだったのです。今まで何ともなかっただけに泊まる場所の標高なんて全然考えていなかったのです。一つ一つ身を持って勉強させてもらいました。

 

とにかく絶景が続きます。特筆すべきは空の青。

標高が高いからなのかここで見る空の青さは、他の場所では見ることのできない美しさでした。

パンゴン湖

高原に草原が広がりポツポツと見えるチベタンの人々のテントのような家、インディージョーンズの映画に出てくるようなピンクベージュ色をした山、雪山を見上げながら雪の壁で見通しの悪い道路を走ったり、変化に富んでいて全く飽きることのない場所。

バイク乗りにはおすすめの道です。

 

 

ただ綺麗なのと同時に厳しい環境でもあります。

 

自動車で通れる世界で2番目に高い峠のタングラングラに登る途中、バイクがノロノロしか動かなくなり、重さのせいだろうと思い軽くする為ナマ子はヒッチハイクで山頂へ。

バイク初心者ナマ介は1人峠を登っていたがやっぱり途中で進まなくなり、一旦バイクを置いて合流しました。

一旦、レー(ラダック の州都)のバイク屋に行き相談してみるとエアーフィルターを抜くと行けるかもしれないというアドバイスをもらいました。(多分標高が高すぎて空気が薄いため?)

 

次の日バスでバイクの元に戻るとシートはない。ライトはない。よくみるとキャブレターはない。こんな人も住んでなさそうな高地で盗難にあってしまったのです。結局トラックを借りて骸骨になったバイクをレーまで運び、直してもらって、無事旅を続けることはできましたが。。。

 

ザンスカールに行く途中には地滑りで道路を走れなくなり、復旧まで小さな村に一週間閉じ込められてたこともありました。あの地滑りのがあった時、他の村では村に地滑りが直撃して大変な状況になっていました。私たちは閉じ込められるくらいですんだので良かったと思っています。今となっては、いい思い出になっています。

 

やっとショベルカーが到着して道路を掘り起こしている所

 

現在は、レーからザンスカールにも道路が通り以前よりも随分旅がしやすくなっていることでしょう。

 

冬の長いラダック地方。冬のラダックはどんな感じなのか気になりました。

旅の途中であったフランス人のボランティアの人に冬の様子を聞いたときに

「Just different world.(違う世界のようだ)」と言っていて、

地元の人に冬の様子を聞くと

「喋って、食べてゴロゴロして楽しいよ。冬は川が凍って川を歩いて行けるんだ。」

と言っていて、実際どんな雰囲気なんだろうかと興味があります。

めちゃくちゃ寒そうで腰が引けてしまうけど、人生に一度でいいから見てみたい景色だなと思っています。

 

チャンスがあれば今度はスピティーバレーの方にも遊びに行きたいし、また訪れ場所です。

 

夏の間に行われるツモリリのお寺のお祭り

 

 

レーを旅している時に読んでいた本

120年位前に日本人で初めてチベットに行った僧の旅行記

 

チベット旅行記(上) (講談社学術文庫) [ 河口 慧海 ]

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これもすごく面白かったです。

ダライラマは尊敬する人の一人。

ダライ・ラマ自伝 (文春文庫) [ ダライ・ラマ ]

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この記事を書いていたら、見直したくなった映画。

【中古】 セブン・イヤーズ・イン・チベット /ブラッド・ピット,デヴィッド・シューリス,B.D.ウォン,ジャン=ジャック・アノー(監督),ハインリッヒ・ハラー(原作), 【中古】afb

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ラダックのガイドブックは少なく、

ロンプラのインド版をその頃は持って旅をしてました。

分厚くて重かったな。

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